弁護士の離婚調停における役割

1.弁護士業務での夫婦問題の位置づけ

離婚しようと夫婦で協議していがうまくまとまらない、相手が納得してくれなくて離婚話が前に進まなくて困っている、周囲にはこんなこと相談しにくいし、どうすれば良いかわからないというような場合は、弁護士に相談すると良いです。離婚してからの生計はどう立てていくか、子供の親権は取れるのか、養育費はもらえるのか、財産分与や慰謝料はもらえるのか、など離婚するにあたっては決めなければいけないことがたくさんあります。これらの問題が解決する見通しが立てば前に進めるのにと考えている人を助けてくれるのが弁護士です。離婚調停や裁判になってから依頼するのではなく、その前の協議の段階から相談に乗ってもらい、間に入ってもらって交渉することも可能なのです。

2.弁護士に依頼するメリットとは

離婚に関する手続きや書類の提出は、本人ですることが可能です。しかし、子供の親権や養育費問題、財産分与などきっちり解決しておかなければならないことはたくさんあり、口約束だけで済まないものです。本人たちだけだと、早く解決(離婚)したいために決めておかなければならないことができておらず、後になって困ったと相談に行く人がいます。このようなことにならないよう、合意書や公正証書の作成をしておかなければなりません。これらの書類の作成、手続きは煩雑なので弁護士に依頼するとスムーズです。もし離婚協議が不合意になり離婚調停に進んだとしても、そのまま担当してもらえます。

3.弁護士に依頼する離婚調停とは

離婚調停は離婚協議が合意できなかった場合の、その次の段階の離婚手続きです。これは、夫婦間での話し合いができない、離婚話が一向に進まないという時に、裁判所に間に入ってもらって離婚するかどうか、するならその条件について話し合うものです。調停は、裁判官と2名の家事調停委員で構成される調停委員会が、当事者の意見を交互に30分ずつくらい聞いて、合意できないか考えます。それでもまとまらなかったら、離婚裁判へと進むわけですが、日本では「調停前置主義」というしくみがあり、離婚裁判をするには離婚調停を行っていないとできないようになっています。調停は、必ず弁護士に依頼する必要はありません。しかし、調停委員は法律の専門家ではないことが多いので、本当に公平な立場で意見を言っているとは限りません。調停委員が勧めてくれたからと、自分が望んでいない条件で合意してしまうことがあったり、先方が弁護士をつけてきてうまく説き伏せられることがあったりするので、調停の際には依頼した方が良い場合があります。

4.離婚調停での弁護士の役割

離婚話がこじれ、調停へと進んだ場合に自分一人で調停の場へ行くのは心細い、話下手なために言いたいことがはっきり言えず、調停委員にうまく伝えられないなどの不安があれば、弁護士に依頼した方が良いと言えます。もし相手方も依頼しているのならなおさらです。依頼された弁護士は、依頼者が望む内容で解決するための手伝いをするのが務めです。調停での役割は、申立書などの書面の作成はもちろんのこと、心身に負担がかかり、不安でいっぱいであろう依頼者に的確なアドバイスをし、心の支えになってくれます。また、調停の場では代わりに発言することもできます。調停は裁判ではありませんので、法律の専門知識をふるう場ではありません。どちらかと言えば、カウンセリングを行うのがここでの役割と言えるでしょう。

5.弁護士に依頼した際の費用は

離婚調停を依頼した場合、いくらくらいの費用が必要なのかというと、これは弁護士によって異なります。最近では法律事務所もホームページを開設するところが増え、費用についても公開されています。費用の内訳は、相談料、着手金、報酬金、その他実費となります。近年、相談料は1時間まで無料としているところが増えましたが、専門家に相談する場合は1時間あたり1万円程必要です。そして着手金ですが、30万円から50万円くらい、調停が終了・解決した場合の報酬金も30万円から50万円くらいとしているところが多いです。ほとんどの弁護士は着手金と報酬金制を取っているようです。しかし中には、基本報酬金に加え、親権を獲得できた時の成功報酬や離婚成立に対する成功報酬などを別に請求するところもありますので、事前にどれくらい費用がかかるのかを確認しておく必要があります。どこへ依頼するのかは、かかる費用を比較したり、実績がどれだけあるかなどをチェックし、信頼できるところへ依頼するようにしましょう。離婚調停は、何度も経験するものではありません。そのためわからないこと、知らないことも多く不安なものです。そのような時に専門家に依頼すれば不安も解消されますし、早期解決が期待できます。ある程度費用はかかりますが、調停を有利に進めるのであれば依頼した方が良いでしょう。
(金額は2016年現在)